清流北川の支流「小川」の川遊び
 小川は延岡市に注ぐ北川の支流である。
 九州一の清流かもしれない。
 地図にマウスポインタを置くと、遊んだ辺りを拡大表示する。
 初めての「北川小川」である。


 二泊三日JR日豊本線市棚駅前の小川で過ごした。
 すばらしい水質だった。
 水量があり、強い向かい風の中で長距離を下った。

 ただし、列車は殆ど停まらない。上り3本下り4本(折り返し運転が1本あるので、市棚駅までなら上り4本)である。
 

 市棚駅には最新のトイレが整備されている。
 

 キャンプした川原は国道10号から昔の沈下橋の道を降りたところで、駅まで100m程。国道沿いに何でも揃う橋本商店や簡易郵便局がある。  

他にもキャンプ適地は多く、色々な場所にテントが設営されていた。


人数、楽しみ方によってことなるが、我々にとって最適のキャンプ地だった。
 どんギャル橋の下で出会った宮崎のカヤッカーさん、色々情報ありがとうございました。
(*どんギャル橋:JR北川駅前の橋 名前は橋の下で「どんべえ」を食べていたギャル達に由来。一部地方でのみ通用する名称)


 岡山から北川小川までは遠かった。群馬から参加のtakataさんと岡山で合流して0時30分に出発、別府竹瓦温泉に入ったのが7時、リバーパーク犬飼、各道の駅に寄り道し、現地に着いたのは昼だった。キャンプ設営後、川遊び開始である。
 JR市棚駅から上流3kmで鎧川が合流する。さらに上流4kmで矢ヶ内川が合流する。
矢ヶ内川合流点から下流がカヤックフィールドである。合流点下の沈下橋右岸からスタートした。

メンバーAri.takata.T-Sun.Nori.Kintaの5人

AritakataNori&T-SunKinta


矢ヶ内川合流点下の沈下橋 スタートである。

 水量不足で瀞場と浅い流れの繰り返しとなる。


水質は最高。増水の跡が見られる。川原には薬莢が落ちている。
 右岸の川原にイノシシの足跡が多々ある。


左岸の地名は「猪ノ市」。狩人の敏感な鼻にイノシシの臭いがする。
狩猟用メガネを掛ける。茂みの中の猪が見える優れもののメガネだ。


 こんなこともあろうかとパドルには猪槍を仕込んである。仕込みパドルのブレードを回し鯉口を切る。
 気配を消して流れにまかせる。静寂、鳥声、音も無く蝶が舞う。
 瀬音が近づく、茂みに近づく。免許皆伝の早業で一撃する。今夜から猪鍋である。

A:「すいませ〜ん」「猟協ですが。鑑札持ってますか?」
B:「え〜!?猪なんか放流しとん?天然でしょ」
A:「今年はウリ坊3匹放流してますので、この川の猪は猟協のものです。」「鑑札ないんなら没収ですね。」
B:「そんなぁ・・・」「全部?」
A:「肉も皮も全てです。」
B:「骨は?骨まで全部?」

ということで猪はこうなった。
 
合掌! いただきまーす。

さて、川下り再開である。

 強風に散らされた花々が川面に浮かび瀬を流れる。

 いたるところから滝のような細い流れが入り、少しずつ水量を増す。

 夏場の休憩所になりそうだ。


 上陸地点も点在する。
 石は丸くない。岩も丸くない。岩の多い瀬はブローチングの危険がある。細い流れが岩に当たる瀬もあるが、流れは弱く問題ない。



 流木のストレーナーに当たる瀬もある。回避したが、近づいて見ると流れの上に太いロープが張られていて、突っ込むと悲劇になりそうである。初心者同行時には誰か降りて誘導しなければならない。
 このあたりはイノシシが多く、イノシシ避けの電流柵が多い。
 いくつか支柱ごと流され木々に絡まっている。水面近くにあると危険極まりないので注意しなければならない。



 橋をくぐり瀞場を抜けると、JRや国道10号と並行する鎧川との合流点だ。ここからJRと国道10号と並行して流れる。


 ここまで4〜5km、1時間半。ここから市棚駅まで3〜4km、30分、水量が増えると速度が変わる。漕がない場合は倍以上の時間がかかる。遊びながら流れたときは市棚駅まで1時間半だった。
 鎧川は水量不足で下れない。
 この川のスタート地点はこの辺りまたは市棚駅からが正解だろう。
 この辺りは鉄橋が目印である。ここから小川は国道10号と分かれる。


 鎧川合流点が瀞場の終わりで、その先、鉄橋の少し下が瀬になっている。
 大きな木が横たわり流れを左右に分ける。右が通れる。



快適な川下りである。

国道10号と日豊本線に並行して流れる。


 増水の跡が随所に見られる。

 透明な水は川底に影を映す。 花もきれいに咲いている。

 流された木がストレーナーになっているところもある。あまり危険はない。


のんびり透明な水を楽しむ。


尾平の沈下橋まで約2km。尾平の沈下橋を潜ると市棚駅前まで約1km。

 珍しい沈である。この方法は艇が安定していることで+1、体の向きが艇と逆になっていることで+3が加点される。

モンベルのファルト、モロコシ号、唐辛子号と一緒になった。
鎧川との合流点付近から瀬口の沈下橋まで下るそうだ。
造りを見るとずいぶんしっかりしている。古いフジタのQUと比較すると新しい艇は色々改良されているようだ。

JR市棚駅前である。ここから川は大きく蛇行する。道路はトンネルを抜けて300m程だが、川は2km弱流れる。


昔の沈下橋はなくなり立派な橋が架かっている。
竹薮で見えないが下のトンネルの手前を左に入る道は崩れて長い間通行止めである。

 瀬口の橋の下にパドルとたくさんのPFDが投げてあった。艇は無い。パドルやPFDを多く持参し過ぎて邪魔になったのか。
 謎である。


 瀬口の沈下橋が見えた。下れないように見えるが、地元パドラーからは「下れないのは堰1箇所のみ」と聞いた。
 とても下れる高さではないが、右端ならなんとか行けるかもしれない。
 流れは弱く、危険は少ないと判断し、偵察する。チャレンジできそうである。
 大丈夫と判断し潜る。



 ファルトチームのキャンプが見えた。静かで良さそうだ。


 透明な水は川の中全てを見せる。
 蟹カゴに亀が入って出られなくなっているのを発見した。
 流されてきたカゴらしく引き上げる紐が無い。水深2m弱。亀救出作戦開始。
 数多くの清流で空き缶拾いを行ったパドル捌きの見せ場である。チームプレイで、肩まで水に浸かって何とか回収。


 二匹の亀は生きていた。この川に竜宮城はあるのかな。



 遊びすぎで中々進まない。昼は北川町に上陸して摂る予定だったが、まだ1/3も進んでいない。
 カヌーとビニールボートで遊んでいる子供達を発見した。

 上には立派なキャンプサイトがある。
 ここの常連、熊本カヌー協会さんのキャンプである。設備は凄い。ユニックの付いた6トン車で運んだキャンプ道具一式である。
 お邪魔してビールとおにぎりを御馳走になった。瀬口の川原に放置された装備の謎はここで解けた。多くの装備をまとめて降ろし、不要なものを残してスタートしたそうだ。
 大人数の川下りだとそうなるなと納得した。元気回復して本流を目指す。
 深瀬の沈下橋と鉄橋を潜る。


メガネの瀬である。
 昔、狩人が狩猟用メガネを落としたところ、瀬の深い底の岩の下に入ってしまった。
 狩人が次の日に行って見ると、川坊主が現れて「お前の落としたのは金のメガネか銀のメガネか、それともこの零番のメガネか?」と聞いた。
 正直者の狩人が「私が落としたのは零番のメガネです。」と答えたところ、川に放り込まれることもなく笑顔で返してくれました。
 それ以来、この瀬は「メガネの瀬」と呼ばれるようになった。
 川坊主から返されたメガネは茂みの中の猪や川の中の魚が見える「小川揚がりのメガネ」として今に伝えられている。


 小川唯一降りて歩かねばならない堰である。
 どこでもポーテージ可能な水位だった。水門が二箇所。水門の上を歩くのは危ないが、体重100kgの私が歩いても壊れなかった。綱渡り同好会の方には命綱なしでチャレンジしていただきたい。


どんギャル橋である。ここで上陸して昼食の予定だったが、時計は14:50を示している。
市棚駅前が11:00、ビールとおにぎりをいただいたのが13:20、強烈な向かい風のため、かなり遅いペースである。
 ゴール目指して漕ぐことにする。

 本流北川に合流する。水質はさほど落ちない。
 向かい風はひどい。少しでも風を避けようと川岸をひたすら漕ぐ。
 竹瀬の橋である。ここをゴールにしとけばよかった。




鉄橋を過ぎる。15:40長井の橋の下で小休止。風で流される。


 この先から川は大きくS字を描く。 向かい風が無くなると快適である。


 川が曲がると向かい風も復活する。もう16:30、長い道のりだった。
 的野大橋左岸にゴールして着替えたら17:00だった。
 夕府村ホタルの宿に風呂をお願いしたところ、18:00に入浴可能とのこと。
 時間外にも関わらず快くもてなしていただいた。


 夜は橋本酒店でビールと焼酎を買い、日向猪と日向鹿そして日向蝶ならぬ日向鳥のイノシカチョウで満腹した。ワイルドは男達はテントもシュラフも使わず野宿する。
 アウトドアズマンである。
 しかし、夜の川原は猪天国、踏みつぶされないよう注意が必要である。



≪注意≫本文は事実と異なる記述があります。また、感謝すべき方々への欠礼をにつきまして平にお詫びいたします。



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