番匠川2007ホタルツアー

 2007年6月、ホタル祭に合わせて大分県佐伯市に注ぐ番匠川の小半森林公園に泊まった。

 小半(おながら)森林公園は番匠川を上流に遡り、鍾乳洞のようなトンネルを抜けて木製では日本一の水車を目印にカッパの橋を渡ったところにある。
 ホタルの名所であり、橋の袂の駐車場には夜でも車がある。
 2007年6月の番匠川は水不足で流れが消え、水が滞留する場所には緑の藻が繁殖していた。
  
 小半森林公園付近の番匠川は綺麗だ。  大水車はホントに大きい。

 カッパはいたるところにいる。支流にかかる橋にもいる。
 一番多くいるのが小半森林公園で、カッパの作者による陶芸教室も開かれている。
 宿泊は6人用と10人用のバンガローがある。
 10人用の部屋の中は2段ベッド4人分と板間で何もない。銀マット、シュラフなどキャンプ道具が必要だ。
 炊事棟複数、トイレ棟複数、コインシャワー棟(4室)のほか乾燥機能付洗濯機などの施設は整っている。

 
 10人用を予約していたが、到着が遅くなった。電話したら受付は17時までなので「鍵を開けておく」とのこと。
 バンガローは水車茶屋で管理されており、色々な親切を受けた。
 問題点はエアコンが無いこと、携帯の電波が弱いこと、付近に店が少ないこととカラスだ。
 500m程上流に小半鍾乳洞があり、入口で地野菜や地寿司ほか販売しているので、17時までに覗いて見るといいだろう。
 カラスは隙を見せると生ゴミを撒き散らすので要注意である。



 ホタル舟のため、小半森林公園付近の番匠川を下見した。

 小半森林公園には右岸上流のオーバーハングした岩壁に桟道が設けてある。
 ホタル見物に良く、夏涼しく過ごせる場所だ。

 桟道の上まで遡って見ると橋の左岸から川に降りる道があり、夜でも舟を浮かべることができそうだ。

 さて、水量殆ど無く、困難が予想される川下り開始である。

 角ばった岩が艇を止め、下れぬルートを腕力突破する。

 水がない浅瀬も体力で抜ける。水があり漕げるとうれしい。

 牧山ノ湯の前は露天風呂が丸見えである。
 ホタル舟が見つかるとノゾキと言われそうだ。

 1km足らずのミニ川下りで体力消耗し、夜に備えて昼寝する。
 ホタル舟は橋から見てホタルが多ければ桟道の下を漕ぐこととする。

 小半森林公園には沢蟹が歩いている。エノハはいない。



 沢蟹はよく洗って出汁を煮含めた後じっくり揚げてから塩焼きでいただく。



 標高1000mから届いたエノハは軽く塩焼きにして川魚の香りを楽しむ。

 鹿刺し、地鶏、日向のムール貝、イチゴほか土地の食材と麦のハナタレ、地霧島、栗焼酎など土地の酒が集まり、夕食となる。



 鹿刺しはニンニク醤油で郷土料理。ホースラディッシュで馬鹿刺し。マスタードで洋風刺身。と薬味を変えて味わう。ニンニクはスリオロシか微塵切り、スライスは合わない。ワサビも合わない。

 鳥刺しもニンニク醤油がおいしい。

 満腹ほろ酔い加減で夜遊びに出る。



 番匠川のホタル


 番匠川のホタルを探しながら牧山ノ湯まで歩いてみた。

 小半森林公園から直線で500m、歩いて700mの牧山ノ湯は露天風呂からホタルが見える温泉である。
 橋を渡り夜道を進むと川面にホタルが見えた。

 番匠川の左岸に立つ牧山ノ湯は入浴料500円、どこにでもある普通の温泉である。
 ただ、浴室の窓にカーテンがかけられ、露天風呂出入り口のガラス戸に遮光フィルムが貼られている。
 ホタル観賞のためである。
 それでも灯りは漏れて暗闇にはならない。

 木立の間の川面の闇にホタルが数匹舞っている。


 入浴には必要最小限の明るさだろうがホタル観賞には明るすぎる。
 他の客が出てからフロントに頼んで浴室の照明を消していただいた。

 女風呂や街灯の灯りがあるが、一段暗くなるとホタルの灯りが大きくなる。

 数は少ない。多くのホタルが乱舞しているわけではない。

 ゆっくりくつろいで宿に帰る。
 帰り道にもホタルがいる。桟道の先にも舞っていた。

 ゆっくり酒を飲み直して夜更かしすると色々な声が聞こえてくる。
 子供の声。大人の声。対岸の駐車場あたりでホタル見物しているようだ。

 鹿の声。声をかけると返事をする。
 多くの鹿がいるようだ。どこでも見かけるが返事をするとは驚きだ。
 鹿刺しを食べた負い目もあり、鹿との会話は短く切り上げた。




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