「川下りは楽し・余談」 by 別宮 博一
L<遅ればせながらの初漕ぎ>
例年正月休み中に初漕ぎをしていたが、今年は出そびれてズ
ーっと漕がぬままに3月になってしまった。3月4日の日曜日は4
月中旬の陽気であったので、昼過ぎに後楽園周りで初漕ぎを4
0分程やった。久し振りに漕いでみて、頬で感じる風は誠に心地
よく、後楽園〜JR山陽本線鉄橋間の誰もいない川面を独り占
めにした気分に浸ったら、「ヨーシッ、あしたから毎朝漕ぐぞ!」
と云う気になってしまった。ところが翌日からは、前日の暖かさ
が嘘のように寒くなってしまい、漕ごうという気が全く起こらな
い。
11日の日曜日も晴れてはいたが、気温は低く、風も強いの
で諦めていたが、午後3時頃一寸買い物に行こうと外に出てみ
ると、風が止んでいるように思えたので、すぐ家に入り、準備を
して自宅前の川に出た。4月1日に京橋朝市でのカヌー試乗会
があるのを思い出し、このあたりの事は良く知ってはいるが、現
場の偵察をしておこうと川下に向いて漕いで行ってみたのであ
るが、途中からヤッパリ風が吹きだして寒く、漕ぎ出したのを後
悔した。後で知ったのであるが、岡山カヌークラブ・清流部には、
この日何処かで川遊びをやっていて、転覆してズブ濡れになった
人がいるらしい。死ぬ思いであった事だろう。無事であることに
対しオメデトウと言わねばなるまい。
この辺りの水位は、増水していなければ潮位なので、時間的
に干潮に近かったせいもあろうが、京橋近傍は上陸が難しい。
河川敷広場の川上側の端あたりに、小さな荒れたスロープがあ
るが、それ以外は甚だ足場が悪くて大変だ。艇を引揚げておい
て、大山さんのアセンテに行ってみると、オープンであったが、何
故かしら閉まっていた。後で調べてみたところでは、4月1日の
件の時間帯の潮位はこれより20−40cm位は高いが、岸の状
況には大差は無いと思われ、艇への乗り降りには足場を工夫す
る必要を感じた。多少離れるが前述スロープを利用するかの何
れかだろう。
この日の京橋朝市でのカヌー試乗会の後、正午頃から岡山カ
ヌークラブで花見が計画されているらしい。気象庁発表のサク
ラの開花予想が後方へ修正され、それが再修正され早まったと
か。今年の気象の変調で気象庁も右往左往している。先月から
「岡山シルバーカード」で後楽園に無料で入場出来るようになっ
たからと云うわけではないが、後楽園に行った。私より高齢と思
しきボランティアの案内人に1時間程連れて回ってもらい、岡山
のサクラ開花の標準木と云うモノが、後楽園内の馬場の所にあ
る特定の3本の「ソメイヨシノ」である事を初めて認識した。ちゃ
んと印の札が付けてあるが、そう説明されないと気が付かない。
<写真@A>
我が家では桃の花が今咲き始めている。サクラの花の無い今、
通りかかった人が足を止めて声を上げて愛でて行くのが聞こえ
る。毎年の事ながら心地良い人声である。桃の花は散るまで割
合長く楽しめるが、咲いてしまうと赤々しくて大味になってしま
う。蕾みから咲き始めが良いが、良い時期は実に短い。「世の中
何事によらずそうである」とつくづく思うようになったのは歳の
せいであろうか。ところが、今年は咲き始めて寒さが逆戻りした
せいか、進行が止まったかと思うほど遅くなっており、長く楽し
めている。蕾の頃に枝を切って生け花にしているものはドンドン
花が開いてしまい、屋外と屋内で桃の花の様子がまるで違って
しまっているのには驚かされる。<写真B>
3月17日土曜日は昼過ぎまでは穏かな上天気であった。国
道180号線を母の居る高梁へ向かって走っていたら、総社市の
旧昭和町水内(みのち)河原の所の中野屋瀬(今は“セブンイレ
ブンの瀬”とか“オアシスの瀬”と云うべきか)の少し川上で、11
時過ぎだったと思うが、川下りを楽しんでいる2艇を目撃した。
『ウワーッ、いいなー!』と羨ましく思うと共に、身体の中から湧
き上がって来る物を感じる。いよいよカヌーシーズン到来だ!
(2007年3月17日)
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