「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

77<「年末を前に」>

 毎月第1日曜日開催の「備前岡山・京橋朝市」会場の片隅

で、「岡山カヌークラブ」が春から秋にかけて7時〜9時の

間行っている「カヌー体験試乗会」は人気があり、毎回老若

男女多数の参加を得ており、カヌーの認知と普及に微力なが

ら貢献出来ているのではないかと思っている。今年の秋から

は新しい遊びのスタイル“SUP”(stand up paddle board)

のグループのデモンストレーションも加わって賑やかであ

った。


       (写真1・2・3・4・5) 

 10月31日(土)には、国土交通省岡山河川事務所主導

の岡山城付近の「石山公園」一帯での「ミズベリング岡山旭

川」が開催され、その目玉として「カヌー体験会」が企画さ

れ、これに対する支援が岡山カヌークラブに要請され、引き

受けている。


(写真6・7・8・9)

 これらの試乗会に臨んで、何時も感じていることがある。

それは、体験試乗者が艇に乗り込む時の姿勢と言うか態勢と

言うか構えと言うか、これに私は違和感を覚えてしまうので

ある。

 我々サポートする側は艇を極力安定化させようとしては

いるものの、不安定である。乗り込む側も不安定さを感じて

おり、恐る恐るであるのが見て取れる。ならば、身を低く屈

めて艇の縁を持つとか、重心を低くして両手で何かを掴んで

転倒回避に備える態勢を採ろうとすべきだろうに、そんな気

配の輩は大人にも子供にも皆無である! 立ったまま両手

を挙げて片足立ちで乗り込んで来る始末だ。

 提供されるものは、全て安全なのが前提と言う世情の中で

育った世代は、こんな事になってしまうのであろう。元来は

成長過程の遊びの中で知らず知らずのうちに身に着けたで

あろう危険回避の術を知らず、「貴方任せ」の無防備状態を

露呈していると私には感じられる。多少の危険のある場で、

危険を認識させ、その対応策を自ら工夫する体験や教育を組

織的に行う必要が迫っていると感じるのは私だけだろうか。

これには、BBQそのものが目的ではない、BBQを一歩超え

た、山・海・川の中で遊ぶアウトドア活動が一番だろう。

 そういう観点からは、「岡山カヌークラブ」が運営母体で

ある「京橋カヌースクール」の生徒達は、指導者達の尽力で、

カヌーに限らず色々なスポーツやアウトドア活動の体験を

積み、実に逞しく育っていると思う。

 私が小学生の頃は、みんな筆箱の中には、小刀「肥後守」

があり、鉛筆を自分で削っていたものである。当時「アメリ

カの子供は自分で鉛筆をよう削らない」と聞き「何で?」と

驚いたおぼえがある。「危ない」からと言う理由で、制度と

して小刀が学童から取り上げられてしまってから久しい。今、

日本の小学生で小刀で鉛筆を削れる子がいるだろうか。小児

期の生活の中での真っ当な手先の訓練がなおざりにされ、不

器用になっていると思う。

 家庭でも核家族化が進み、箸の上げ下しに口喧しい祖父母

が居なくなった。子供だけでの食事も多い様である。その結

果、箸の持ち方の悪さが拡がった。これが鉛筆の持ち方の悪

さに繋がり、書字の時の姿勢の悪さへと続く。近視・脊柱側

弯へと繋がる事だろう。彼等が長じて外科系の医師になると、

手術道具の持ち方も乱れ、手術道具の制作意図とは懸け離れ

た持ち方・使い方を、駆け出しの始めからする輩が目に付く

様になる。恐ろしい時代である。 脱線してしまった。

 さて、11月8日には大掛かりな「おかやまマラソン」が

開催され、カヌー仲間も何人か走っている。これに関連して、

本谷氏の提案で、ランナーが旭川沿いを走る区間を、「岡南

大橋」から川上に向かって「新鶴見橋」まで、旭川川面でマ

ラソンを伴走して、勝手に盛り上がろうと言う企画があった。

20余艇が集まった様である。私もこれにシーカヤックで参

加する積りであったが、大風邪をひき、咳と鼻ヅルで断念し

た。しかし、何せ我が住居近くをマラソン大集団が通るので、

温くして、相生橋東詰めの「岡山衛生会館」の100メート

ル余川上側で観戦した。2台の婦警運転の白バイに先導され

たブッチギリのトップランナーが通り過ぎた後は数分間ラ

ンナーの姿は見えなかった。


(写真10・11)

 その後2時間経った頃であったであろうか、ランナーがゾ

ロゾロ連なって通る様になった頃、旭川水面に「後楽園」東

側の水路に入って行く数艇のカヌーに気付いた。これだ!と、

カヌーとランナーを一緒に写そうとするが、何度やってもラ

ンナーの陰にカヌーが隠れてしまう。やっとそれらしいのが

撮れた。


(写真12)

 さて、来年の「第5回岡山城・後楽園カヌー駅伝大会」開

催に向けて、準備は既にスタートしている。次回は節目の大

会との認識で、皆で協力してより良い大会にしたいものであ

る。また、岡山の春の水辺のイベントとして広く認知される

存在になりたいものである。

               2015年12月7日








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