「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

74<「旭川定番下り・竹島・黒船・蘇生」>

  
       (写真@)

 以前は、何かに追い立てられる様に、本稿を毎月更新していたが、

番号が歳の数を越えそうになった辺りからモチベーションが下がり

始め、更新の間隔が漸次延びて行き、今や4か月半程も怠っている。

今回、支離滅裂なタイトルを掲げてしまったが、宿便一掃と御理解

頂きたい。

 さて、今年の夏は水の上で干乾びそうな暑さかと思えば、数十年

に一回と云う豪雨に見舞われたり、竜巻が暴れたり、やたらに台風

に襲われたりで、川下りに出るチャンスが少なかった様に感じる。

 そんな中で、9月-14日〜16日(連休)には、大型台風何号だった

かが紀伊半島方面接近の予報が出ていた。そんな中、予め計画され

ていた「南紀カヌーツアー」に、我が仲間が大勢で出掛けたのを知

っていたので、「これはヤバイ!」とズット気掛かりであった。電話

しようとして、「オセッカイ」は止めて置こうと、何度思い留まった

事か。悶々とした思いが続いた挙げ句、下記の様なe-メールを送信

してしまった。

 「無理をしない様に!

  撤退を含め適切な判断と行動を取られます様に!」

 電波状態が悪く、このe-メールは読まれてはいなかった様である

が、送信した事で私の気持は少し楽になった。結果的には全員無事

帰着しており、良かった良かった。参加者の一人から聴いたところ

では、実際のところ大変な荒れ様で、川下りどころではなく、危う

さを伴った旅であったそうである。

  
       (写真A)

 10月30日(日)には、岡山カヌークラブ恒例の「旭川定番コース

カヌーツーリング」を行った。参加者は小学生から71歳まで、老若

男女・総勢25名であった。この中には、松江から参加の松井氏の姿

もあった。冒頭の写真@は出発前の陸上での集合写真である。写真

Aは水上での集合写真である。(何れも藤沢キンタさん提供)

 私はこのところ川下りを怠っているせいで、重要装備・ヘルメッ

トの持参を忘れてしまっていると云う締りの無いお粗末で、角南氏

の予備のヘルメットを拝借して着用しており、しっくり頭に合って

いない。名前は控えるが、ベテラン2名が沈したのは意外なアトラ

クションであった。

 この日、「聞き覚えのある声がする」と私に話掛けて来た女性があ

った。何んと、福山で勤務していた頃の教え子(?)で、私が扇動

して毎年大挙して参加(1クル―4人漕ぎ5人組で、最多13クル―、

最少6クル―)していた「芦田川市民レガッタ」なるボート・レー

スにも参加している。現在は京橋カヌースクールの生徒の母親だと

知らされ二度ビックリ。世間は狭い物である。

 中牧の河原は、増水で大荒れに荒らされた無残な跡が残っており、

水際には土砂が堆積した高さ2メートル程の土手の様な物が長く出

来ており、それより道路寄りの河原もガタガタであった。艇の回収

に当り、車で河原には降りられるが、堆積した土手近くまで、車の

底を擦らずに寄せるのは困難であった。重機を入れての地ならし程

度の整備が望まれる。

  
       (写真B)

 さて、話は飛ぶが、10月中旬、所用で横浜に数日間出張した。新

幹線切符とホテルをパックで予約したが、そのホテルの向かいの建

物が偶々「神奈川県立歴史博物館」で、偶々「こもんじょざんまい」

と題する「鎌倉ゆかりの中世文書」の特別展示が会開催中であるこ

とを、ホテルに着いてから知った。私は、最近古文書に興味を持っ

ているので、これは「神が与えたチャンス」と捕え、本来の所用を

一部割愛し、午前中を「神奈川県立歴史博物館」探索に当てること

にした。

 9時30分開館なので、9時20分には入り口のシャッターの前に、

たった一人で立っていた。シャッターが半開きになった所で館内に

入ると、65歳以上は常設展100円、特別展100円で見せてくれると

分り200円を払い、常設展から見て回った。入館者は当初私しか居

ないので、何れの部屋でも、監視を兼ねた館員が、無料の音声ガイ

ドを着けていても、「説明しましょうか」と寄って来る。出土品主体

の古い時代の初めの幾部屋かでは、「急ぐので」と断っていたが、あ

る部屋の大きな「大日本海陸全図」と銘打った展示の前で、断るの

が面倒になり説明を受け入れた。ところが、これが大当たり!

 何気ない「文久4年」(1864)の日本地図であるが、『隠岐島と対

馬の間の北方に小さな粟粒の様な島が書いてあるのが分ります

か?』と初老の館員が云う。よく見ると確かにある。館員は、やお

らポケットから小さな望遠鏡を取り出し、これで見て見ろと促す

のである。言われるままに焦点の調節をしながら覗いてみると、ジェ、

ジェ、ジェ! 小さな小さな島の輪郭の中に、更に小さな≪竹島≫

という2文字がハッキリと見える!! この地図の事は殆ど知られ

ていないとの事であった。

 道順に従い次の部屋に入ると、嘉永6年(1853)来航のぺりー黒

船艦隊4隻(サスケハナ・プリマス・サラトガ・ミシシッピ)の1

/50模型が縦一列並んでおり壮観である。さすがに開国の現場だけ

の事はある。これがあの狂歌の4隻である。

≪泰平の 眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯で 夜も眠れず≫

一般に黒船は外輪船と思われている様であるが、外輪船はペリー

が乗っていた「サスケハナ」と「ミシシッピ」の2隻で、残り2隻

は帆船である。「サスケハナ」は、「佐助花」と文字を当てたくなり、

日本を意識して付けられた船名かと思ったが、アメリカ・インディ

アンの言葉由来なのだそうだ。

この時ペリーが土産として持参した「エンボシング・モールス電

信機(有線)」が展示してあるのも驚きである。情報伝達のスピード

を、日本のやり方と実際に競争して見せているのだそうである。

 このほか、人が跨いで乗れる程度の大きさの、実際に動くミニ蒸

気機関車も持って来た由で、黒船・電信機・蒸気機関車で日本人を

驚かせて開国を迫る縁にしようとしたのだとか。

 入館の動機となった、肝腎の「こもんじょざんまい」特別展の方

は、常設展で感動を繰り返している内に時間が無くなり、殆ど立ち

止まらず、サッと流して歩かざるを得なかった。その代わり、出展

文書を網羅した冊子を購入してお茶を濁した次第である。

 横浜に行く便があったら、ここにお寄りになるのが私のお薦めだ。

この際、望遠鏡か双眼鏡を持参する事をお忘れなく!

 アクセス方法は、JR横浜駅から「みなとみらい線」に乗り、「馬車

道駅」で下車し、「5番出口」を出て、そのままの向きに歩道を1ブ

ロック程進んだ位置で、通りの向かい側にある優雅な建物が、元「横

浜正金銀行」の「神奈川県立歴史博物館」である。博物館の入り口

は建物の反対側にある。

  
       (写真C)

 さて、話は更に飛ぶが、来る
11月10日(日)に、岡山駅西口近く

岡山コンベンションセンターで「NPO救命おかやま 市民のための

救命講習会
」が午前と午後の2回開催されます。無料で行われる2

時間に及ぶ充実した心肺蘇生実技習得の得難いチャンスです。定員

は午前・午後それぞれ100名で、10月22日現在、未だ空きが沢山あ

る由です。小学生も保護者と一緒に申し込みが可能です。NPO救命岡

山・岡山県民局・岡山県医師会の共同主催です。

 昨今の多発する水辺での事故に鑑み、1人でも多くの市民の参加が

望まれます。水辺で活動する我々は、切実に蘇生実技習得が望まれ

ます。誘い合わせて参加しましょう。PC・携帯・FAXの何れからも申

し込み可能です。

 
下記にアクセスして見て下さい。

  NPO 救命おかやま HP http://npo-ok.umin.jp/


       (pdf文書)



                (2013年10月22日) 






前のコラムにジャンプ

@ のコラム   A のコラム   B のコラム   C のコラム

D のコラム   E のコラム   F のコラム   G のコラム

H のコラム   I のコラム   J のコラム   K のコラム

L のコラム   M のコラム   N のコラム   O のコラム

P のコラム   Q のコラム   R のコラム   S のコラム

21のコラム   22のコラム   23のコラム   24のコラム

25のコラム   26のコラム   27のコラム   28のコラム

29のコラム   30のコラム   31のコラム   32のコラム

33のコラム   34のコラム   35のコラム   36のコラム

37のコラム   38のコラム   39のコラム   40のコラム

41のコラム   42のコラム   43のコラム   44のコラム

45のコラム   46のコラム   47のコラム   48のコラム

49のコラム   50のコラム   51のコラム   52のコラム

53のコラム   54のコラム   55のコラム   56のコラム

57のコラム   58のコラム   59のコラム   60のコラム

61のコラム   62のコラム   63のコラム   64のコラム

65のコラム   66のコラム   67のコラム   68のコラム

69のコラム   70のコラム      

   

inserted by FC2 system