「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

70<「カヌーの秋、芸術の秋」>

  
  (写真@10月7日京橋朝市会場でのデモ)

 最近は歳のせいか、モチベーションが下がってしまい、当稿更新

も怠ってしまっている。そんな中で、今回は私の歳と同じ回数に成

ってしまった。朝夕は少し寒いが、昼間は快適なカヌー・シーズン

である。

 巷では、岡山県知事選挙も終わった。国政レベルでは衆議院議員

選挙が間近の気配であるが、マジカよー?

 「近いうちにする」は「そのうちにする」で、「しなくはない」と

も言い、「しないかも」に近い、と言うのが最近の国政語法らしい。

「近い」は物理的に近接していると思い込む方が「バカ」と言うこと

なのだろう。社交辞令みたいなものだったのか。まあ、常用挨拶で

は、昼前になって「お早う御座います!」と言っても違和感が無い

事を思えば、そんな物かと納得出来たりして!

 そもそも、「国政選挙などと言うものは、“政治家”などと自称す

る本音と建前の著しくかけ離れた輩と、それを取り巻く怪し気な輩

共が、本気で取り組むゲームだ」というのが私の認識である。

 “政治家”が「そんな事では、国民は納得しませんよ」とよく言

う。これは「国民」を「盾」或いは「隠れ蓑」にして、「私」を主張

しているものと私は思っている。政治家が言う「国民」とか「みん

な」などは「私」に置き換えて見ると、本音が見えて来るのではな

いかと私は思うのであるが、どうだろうか。

   ○の政活が第一   ○の党  

 これに対し、“芸術家”は本音も建前も区別無く、一直線だとつく

づく感じさせられる体験が最近あった。

 既に御承知の方も多いと思うが、『岡山美の回廊』という岡山県主

催のイヴェントがこの秋開催される(昨年これのプレ大会が開催さ

れている)。これに県が出品を委嘱する“芸術家”の選定の相談を受

けた岡山県立美術館の学芸員の高嶋雄一郎氏が、たまたま知ってい

た現在ドイツ在住の“現代芸術家”『島袋道浩(しまぶく みちひろ)』

氏を推薦したのである。

  
  (写真Aポーズをとる芸術家と白鳥)

 「川下りが必要であるが、全く知識も体験もないので、岡山カヌ

ークラブでサポートをお願いしたい」と言う要請が、「岡山城・後楽

園カヌー駅伝大会」を成功させたと言う実績を辿って、本谷氏の許

に寄せられて来たのである。何が何だかさっぱり解らないまま、岡

山カヌークラブ会員10人足らずが岡山県立美術館に出向いて、我々

に会うためにわざわざドイツから来た“芸術家”島袋氏の話を聴い

た。岡山に来て見て彼が描いた構想は、次の様なものである。

 ≪後楽園周りの旭川に行動を制限されて何処にも行けない可愛

 そうな白鳥(白鳥型4人乗りレクレーション外輪船)を、人力で

 漕いで旭川を下り、初めて白鳥が海に出て、良かった良かった≫

と言うのである。

  
 (写真B白鳥の居場所)

 我々は皆「無理、無理!そんな途方も無い、馬鹿らしいことを!」

と思ったに違いない。私は「モータボートで曳航してはどうですか」

と提案したが、即座に「人力でないとダメです。「白鳥」以外の物が

近くに居てはダメなんです」と強く反撃して来る。川を下る様子の

一部始終を水上と陸上から動画と静止画で撮影して、それを作品に

仕上げて展示するというのである。楽しい事とは程遠い、ヘンな事

に巻き込まれそうになっているという違和感を私は感じていた。

 彼が過去の作品の一例を教えてくれた。

 ≪ヤギを連れて街中を唯歩くだけ≫

と言うものである。これを聞くと、何だか、「なるほど」と、ある種

理解が進んで来る様な感じがした。

 なんだかんだあって、結局「泣く子と芸術家の一直線には勝てぬ」

と言う訳で、本谷・角南氏を中心に、岡山カヌークラブがサポート

する事になり、10月24日の満潮時に合わせて、午前7時に、我が家

直近の、月見橋下の貸ボート乗り場を出発となり、準備された。

  
 (写真C貸ボート乗場早朝集合)

 快晴のもと、夜明けと共に集まったのは、島袋氏と高嶋氏・島袋

氏の親戚の方々・芸術家仲間・あちこちの美術館の学芸員グループ・

岡山県庁職員・岡山カヌークラブ会員等々、モヒカンや弁髪なども

混じえた大勢になった。たまたま日課のジョギング中の任期満了寸

前の石井正弘岡山県知事が突然現れ、知事から激励を受けた。

 “白鳥”を遠巻きにカナディアン3艇(撮影・漕ぎ手交代要員運

搬など)・2人乗りカヤック1艇・1人乗りカヤック1艇・モーター

ボート1艇の水上陣容で、陸上伴走車も撮影用を含め数台である。

私は“白鳥”漕ぎ手(正確には「漕ぎ脚」か?)交代要員を乗せた3

人乗りカナディアンを美女と共にズット漕いで下った。“白鳥”の居

る京橋の写真などは、この度しか有り得ない空前絶後の代物で感動

的である。

  
 (写真D京橋朝市会場で小休止。)

  
 (E空前絶後の取り合わせ写真。)



  
 (F漕ぎ手交代要員は美女。)

     
 (G。H島袋氏カナディアンに移る。)

  
 (I整然としているげだが、疲労困憊。)

 平日の事であり、仕事もあるので、勤務先直近の2号線の旭川大

橋直下での大休止を機会に、私は離脱した。



  
 (写真J国道2号線旭川大橋直下で大休止。)



  
 (K左から島袋氏・別宮・角南氏。)



  
 (L島袋氏と本谷氏(右端)ら。)



  
 (M芸術は何時でも、何処でも。)



  
 (N川下へ向けて出発。)

 現在の勤務先に変ってから8年半が過ぎるが、水路からの出勤を

当初より狙っていたものの、中々実現できなかった。こんな形での

初めての水路経由の出勤である。それなりに嬉しい。

 今回パーフォーマンスを最後までは見届けていないが、成功裏に

終わった事を、27日の飲み会で知り、ほっとしている。11月4日に

は、後楽園内曲水で展示発表される由である。どんな作品に仕上が

っているか楽しみである。



  
 (写真O10月27日「あまのじゃく」にて)







                (2012年10月31日) 


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