「川下りは楽し・余談」 by 別宮 博一
66 <「東京オリンピック・カヌー選手と旭川を漕ぐ」>
2011年10月6日(木)、「元東京オリンピック・レーシング
カヌー選手4人」を含むカヌー猛者「7人の侍」が岡山に現れた。
如何いう事かと言うと、本田大三郎氏率いる東京オリンピックカヌ
ー選手4人が山口国体のカヌー競技オープニングのデモンストレー
ションに出場後、東京方面への車での帰路、本田氏の弟子で当クラ
ブ会員・本石光円氏らが立ちあげた「OCC京橋カヌースクール」に対
する激励を込めて岡山に立寄り、旭川の後楽園周りを漕ぎたいと言
うのである。これに本谷氏の自衛隊時代の九州在住の仲間2人と現
在本田氏の許で修業中の1人が加わった7人である。
本田大三郎氏はサッカーの本田圭祐選手の大叔父に当り、自身を
含め一族で6回もオリンピックに出場していると言う稀有な一族の
頂点にある人物で、現在76歳で今尚現役・意気軒昂でカヌー指導
や講演活動に忙しい。私は本田氏には2-3年程前にも岡山で御目に
かかったことがある。本田氏が何時も言う事であるが、「カヌーでオ
リンピックには誰でも出ることが出来ます。但し、カヌーで地球を
赤道周りで2周分漕がなきゃならない。」と。これは、私が計算した
ところでは、10年で漕ぐとすれば、毎日22キロメートルになる。
手の届きそうな気がする距離ではあるが、常人には続かない。大い
なる覚悟で中学生の時から頑張ると言うことになるのだろう。
迎える側が本石氏1人では寂しいと、彼が色々当って見たようで
あるが、平日の午後の事ゆえ都合の付く人は無く、本石氏の他は私
だけであった。
京橋朝市会場に使われている旧岡山港船着き場に勢揃いしたのは
4+3+2=9人でる。ここの旭川の水を見て東京オリンピック組は
「ウワ―ッ!水が綺麗!」と驚嘆の声を上げる。私が「これは綺麗
じゃあありませんよ」と言うが、お構いなく感動している。東京の
川は余程汚いのであろう。京橋朝市が調達している揃いの1人乗り
レクレーションカヤックに乗り込んで京橋〜新桜橋間の往復に漕ぎ
出した。本田氏以外の3人は略70歳で、私と同世代である。オリ
ンピック後の人生はカヌーからは全く離れてしまっている。今回本
田氏に呼び集められ、急遽久し振りにカヌーに乗ったそうで、乗艇
した途端「沈」した方もあったとか、本石氏からまことしやかに聞
かされているが、私は信じない。
岡山ではそんな様子は微塵も無く皆颯爽と漕いでいる。他の3人
もカヌー畑の人なので、軽く漕いでいる様であるが、この一団は速
い速い!私が写真を撮ろうとしてもアッと言う間に小さくなってし
まう。そして後から追い付こうとして精一杯漕いでも差が縮まらな
い。これだけ揃って速いカヌーの一団がここを漕いで通ったのは、
これが初めての事だろうと思う。
帰路途中、県カヌー協会の大倉氏の厚意で、月見橋脇の茶屋に上
がり休憩した。街中でカヌーを楽しめる環境を皆揃って絶賛し、羨
ましがる事しきりで、岡山に寄った事を大いに喜んでいた。本田氏
は若い頃「陸上自衛隊三軒茶屋駐屯地」に居たことがあり、後楽園
周辺に何度も訪れており、懐かし気に話していた。
夜の居酒屋での懇親会では県カヌー協会の大倉氏、岡山カヌーク
ラブの角南氏・妹尾氏・山口さんや京橋朝市役員も加わり楽しい一
時を過ごした。競技カヌーは、我々遊びのカヌーとは指向は異なる
が、有意義な情報交換も出来た一日であった。
(2011年11月1日)
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