「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

55 <「元気な104歳の青年に感動!」>

 

 今年は暑さが何時までも続いたためであろうか、私の行動範囲で

は彼岸になってもサッパリ彼岸花が見当たらない。例年この時季の

最も季節感のある花として、河川敷・堤防・田畑や道路の周辺など

至る所で紅い花を見掛けたものである。「ああ!彼岸が近付いたんだ

な」と思わせるタイミングで、かなりはやくから紅々と目立ってい

た筈である。

 今年の夏は余りに暑かった上に長々と続いたので、アラ7にもな

ると、カヌー遊びをしようにも「水の上で干乾びそう」で、支度を

する意欲を削がれてしまった。その結果、7月〜9月間に数回漕い

だのみである。

 ここの所、急に涼しくなって来たので、9月29日午前中、昔重

量挙げの杉本氏と二人で久し振りに旭日川定番コースを下った。川

に出て見ると川岸の水に近い所には紅い彼岸花がチラホラ見えたが

少なく、水辺から離れると殆ど見えない印象である。やはり、川に

出ないと季節の移ろいは目の当たりにし難い物であることを実感し

た次第である。今度は寒くなるに連れて、早々と水に近ずくのを敬

遠する事になりそうである。こう考えると、実際の水辺の1年がド

ンドン短くなって行く。あとどれ位川で遊べるだろうかと不安にな

って来る。どう考えても5年を超えることはあり得ないだろうし、

1年かも知れない。その1年も短いとなると、自分が楽しめるチャ

ンスは限られていると思えて来る。

 こんな事を考えている中で、9月25日(土)午後、日本初の知

的障害児の養護施設である社会福祉法人「しいのみ学園」を創立し、

現在も理事長で園長の昂地三郎(しょうち さぶろう)氏の講演を

聴く機会があった。明治39(1906)年生まれの104歳の氏

の講演は感動もので、実に素晴らしかった。真赤なブレザーにお揃

いの帽子と濃赤の蝶ネクタイで登場し、1時間半余にわたり、パワ

ーポイントで多数の画像を使いながら、氏の104年を感動とユー

モアを交え、聴衆を惹き付けて飽かせず、ぶっ続けで話し続ける。

途中で氏が編み出した体操の実演をやり、最後は「黒田節」を舞っ

て締め括るというものであった。体操と黒田節の演舞では片足立ち

で静止する部分があり、唸らされる。
 
 世界中を講演して飛び回っており、長寿研究の世界的権威者から、

世界一元気な長寿者のお墨付きを得ている由である。元々は心理学

専攻のようであるが、医学・文学の博士号を取得している。2つの

学位を取得しているのは氏と森鴎外の2人のみだそうである。

 若い頃は英語・ドイツ語、65歳から韓国語の学習をNHK語学

講座で学び、韓国語で授業する迄に上達。95歳から中国語、10

0歳からロシア語、101歳からポルトガル語、102歳からフラ

ンス語に挑戦。これを次々にマスターし、海外講演では現地語を使

って行うのだそうで、日記を日替わりで各国語で付けていると言う。

とにかく凄いのである。パッと見も実に若く70代後半か精々80

歳にしか見えない。「歳はとっても元気」の理想型で、あやかりたい

ものである。

 この講演を聴いたら、私の今の歳など「ションベン垂レ」であり、

元気が出て来ると言うものだ。

「頑張るぞ!」と取り敢えず発奮したのだが‥‥‥‥。



                 (平成22年9月29日) 


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