「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

52 <「吉井川ツーリング顛末」>

 
 6月13日(日)に予定されていた「岡山カヌークラブ」の6月

行事としての「吉井川カヌーツーリング」は、これまた殆ど雨の天

気予報で、今回も前日12日(土)の「下見下り」の方に期待を懸

けてしまった。青空のもと、集合したのは11艇(カナディアン2、

レクレーション1)の幼児2人を含む14人である。
 
  (右吉井川左吉野川合流部突端より出発)


 吉井川に就いては、私がカヌー遊びを始めた20年前、野田知佑

氏の名著「日本の川を下る」を読んで印象を悪くした事と、当時下

流付近を車で走って見て、堰が多くて川への出入りが難しいという

印象を持ってしまった事で、以後吉井川には全く近づいていない。

それでも、最近「吉井川カヌーフェスタ」をする様になってから、

皆さんについて行って「吉野川との合流点から佐伯まで」2回下っ

てはいる。今回は同じ区間の3回目ではあるものの、私には岡山よ

り東の土地鑑が全く無いので、集合地点を地図で確認して出掛けた

のであるが、情けない事に道に迷ってしまった。参照した地図を家

に置き忘れて来てしまったのである。現在位置が皆目判らない。車

にはカ―ナビを付けていない。

 私は「カ―ナビに頼っていると早くボケる」と確信しているので、

戦略的にカーナビを付けていないのである。五感から入る情報と地

図情報を頭脳の中で統合して判断する作業は、広範囲の脳を動員す

る高度の作業であり、これは大いなる脳への刺激と思われる。従っ

て、この作業を日々行うのと放棄しているとでは、長い間には必ず

や知的機能の差となって現れるに違いないと私は確信している。時

には道に迷うが、その状態から何んとか抜け出そうと努力するのは

更に大きな脳への刺激と心得ている。多少、周りの人に迷惑を掛け

る事にはなるが、まあ大目にみて許して頂きたい。「カーナビが本当

に頼りになるのは、夜間知らない土地を走りながら目標を探す時位

のもの」と私は思う事にしている。

 偉そうに御託を並べたが、恥ずかしながら道に迷ってしまった。

泣きそうになる位困ったが、脳への良い刺激になったと思っている。

復帰の目途が立たないので、川下りを始める様に連絡はしたが、結

局、優しい皆さんを随分待たせてしまったのは申し訳ない限りであ

る。お前もナビを使えと言う声が聞えて来る様な気がする。
 
  (苦木標識)

 
  (苦木の瀬川上側道路からの遠景)

 
  (苦木の瀬)

 
  (苦木の瀬船通し)


 さて、吉井川下りの目玉は何と言っても「苦木(にがき)の瀬」

である。川幅の中を水流が右岸をかすめる様に湾曲して瀬になって

いる。ここは嘗て「高瀬舟による吉井川水運の難所」であった。そ

のため高瀬舟の航行を易しくするために直進の「船通し」の水路が

頑丈で強大な石組で築かれており、洪水にもめげず、今も健在であ

る。どちらを通るかは各自の判断であるが、今回は全艇本来の「苦

木の瀬」にチャレンジし、3艇沈した。
 
  (親子3人艇)

 
  (レスキュー作業の親子三人艇)

 
  (沈に背を向けた角南氏の視線の行に)

 
  (苦い木の瀬沈)

 
  (奥方)

 
  (苦木の瀬の元アジア競技大会重量挙げ選手)


 黄色いシット・オン・トップ艇が沈したが、「ひっくり返すだけで

排水しなくてよいので楽だ」と高梁川で3沈の主がしみじみと漏ら

す。2人乗ったカナディアンも沈!2歳と4歳の子供を前後に乗せ

て三人乗った家族連れが下ったが、ここで艇上に子供の姿が1人し

か見えないので、1人水中に落としたかと心配したが、艇内で眠っ

ていたそうである。この三人艇はレスキュー活動をしており、コリ

ャー、親も子も大物だ!夫妻で参加の御大は沈して艇は流れ本人は

右岸を歩いている。奥方はスルリと難なく通過。カナディアン・ダ

ブルパドルの元アジア競技大会重量挙げ選手も雄姿を見せてくれた。

この瀬の後、何処かで沈した1艇があり、3艇4沈の成果で楽しく

終った。適当な駐車スペースのある上陸地点が無いので仕方が無い

のではあるが、このコースは「苦木の瀬」の後がダラダラと長く、

その上に風が強くて疲れるのが難点だ。

 旭川・吉井川共に雨で正規の予定は流れてしまった。埋め合わせ

の予定も考慮されている様なので、楽しみましょう。





                 (平成22年6月25日) 


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