「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

49 <「さくら」>

 

 連休を拡大して予定していた海外旅行は、色々事情が重なり、や

むなくキャンセルしたが、この間に体力を落としたと見え、大風邪

を引いてしまった。このため、3月19日から22日まで寝込んで

しまい、「クリーンリバー作戦」には参加出来ない儘、そのことも忘

れて布団の中で終日TVの守りをしていたという情けない連休であ

った。その後も咳と鼻汁が続いており、鬱陶しい毎日である。

 梅・桃に次いでいよいよ桜のシーズンになって来た。カヌー愛好

者としてはカヌ―からの花見が何といっても最高である。今年は桜

の開花が早いそうであるが、岡山では後楽園内にある「ソメイヨシ

ノの標準木」で開花を宣言するのであるが、5輪以上花があると開

花宣言をするのだとかで、7輪あったとかで先日開花が発表された。

しかし実際には「標準木」以外の周辺の桜の木の開花はもっと進ん

でいた様である。その後寒い日が続き開花がスローダウンしており、

後楽園・岡山城周辺で見るに耐え得る程に咲いているのは、3月2

7日現在、石山公園の「枝垂れ桜」が唯一かと思われる。



 日本を席巻している「ソメイヨシノ」は総べて、全く同じ遺伝子

を持つクローンなのだそうだ。従って、このサクラノ生育を阻害す

る環境変化や病気が生じると一斉に枯れる運命にあるとか、随分以

前にラジオで聴いた覚えがある。ソメイヨシノは種子で増殖するこ

とが不可能で、総て人の手によって「接ぎ木」などの方法で増やさ

れたクローンで、人手無くしては生き延びることが出来ない弱者な

のである。そういう意味では、ソメイヨシノに代わる次世代の良い

桜が用意されていなければならないのであろう。丸善で「日本の桜」

という本が目にとまったので、めくって見ると、実に沢山の桜があ

るのには驚いたが、何だか安心してしまった。

 ところで、江戸時代の日本画壇にあって、見たこともない想像上

の獅子や麒麟等を描くのを良しとせず、日本固有の「桜をモチーフ

にした絵のみを描く」ことを通した「三熊派」という一派があった

ということを、学習院女子大学教授 今橋理子氏が昨日TVで話して

いたのを興味深く聴いた。三熊思孝・三熊露香・広瀬花隠・織田瑟々

(しつしつ)の4人のみの画家の60年だそうだ。4月4日―5日

には東近江市八日市川合寺町西蓮寺で「織田瑟々の桜画展」が入場

無料で開催されるとか。織田瑟々は織田信長の末裔の由である。イ

ンターネットで検索して見ると、誠に凄い桜の絵と思われる。一寸

遠いが、便のある方は御覧になるのも一興かと思う。

 4月初めの土日辺り、後楽園周辺はまだ桜を楽しめそうな気がす

る。それまでに風邪を治して置かなくちゃー!



                 (2010年3月27日) 


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