「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

34  <樂演団「五足六文」公演>

 
          (忘年会)

 12月20日の岡山カヌークラブ忘年会で、フラメン・コダン

スの艶舞を目の当たりにしたからと云う訳ではないけれど、話

題がカヌーからは外れるが、12月14日に楽しい演奏会を堪能

する機会があった。

 知り合いから「行って見ない?」とe-メールで誘われたもので、

善通寺市にある四国学院大学でのイベントでの演奏会で、売れ

っ子タップダンサーのHIDEBOHがゲスト出演するというのであ

る。 彼は「ビートたけし」の『座塔市』の圧巻のタップダンス・シ

ーンに係わった事で御存知の方もあるかと思う。「アマチュア学生

バンドに HIDEBOH が客演するのか」位に思ったが、タップダ

ンスには以前から大いに興味を持っているので、内容を良く理

解しないまま、予定が無かったのでOKした。定員100人とやけ

に少なく、入場無料であるが入場整理券が要るという。この方

は手配して貰った。


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          (入場整理券)

 前々日になって場所やアプローチなど諸々の情報を得ようと

思い、インターネットで探って見たら、なんと《舞台芸術鑑賞講

座》という物々しさである。出演は 《“JAZZ DE ENKA”

楽演団 「五足六文」 歳末楽市 》 とあり、何が何だかさっぱり

解らないが、支離滅裂な感じで面白そうである。

 瀬戸大橋線で坂出で乗り換えるのも面倒なので、岡山から

高知行きの特急に乗った。善通寺は今年9月「四国八十八ヶ所

プラス高野山巡礼」を車を運転して8泊9日で一挙にやってしま

った時に参拝しているが、あの善通寺の荘厳さ壮大さの印象か

らすれば、JR善通寺駅の何と質素なこと。「降りる駅を間違え

た!」と思った位だ。JRで善通寺に来る人は少ないということ

なのだろうか?

 冬の日曜日の夕方のせいなのか、駅も駅前道路もやけに閑

散としており、人影が殆ど無い。歩いている道で間違い無いのか

不安だが、訊ねようにも人に中々出会わない。やっと自転車に

乗った小学生4-5人の群れと出会ったので、一番年長と思しき

男の子に訊ねたところ、急に緊張して落ち着きなく「アノー、ボ

クー、ちょっと分りません」と言い捨てて逃げて行ってしまった。

「そりゃあ無いだろ!」と言いたい。道を訪ねた老人を放っておい

て逃げ出すとは。恐らく、「知らない人には、かかわり合うな!」

と言い聞かされており、この様な対応をするのが「良い子」とい

う情けない現実があるのだろう。

     (正門の立て看板)

 おばさんに出会ったので訊ねたら、100メートル程先を指差

して教えてくれた。善通寺直近の場所なので仏教系大学かと思

いきや、何とチャペルのあるキリスト教系の大学なのには驚いた。

日曜の夕方の人けの無い正門を入り、殆ど人影の見えない初め

ての構内をウロウロしながら何とか開演30分足らず前には会

場の建物に入ることが出来た。まだ入場者は至極疎らであった

が、一番乗りで入場した知人が、中央かぶりつきの席を取ってく

れていたのは嬉しかった。


     (五足六文)

 演奏会は、その厳かな建前の故にか、副学長の挨拶から始ま

った。「楽演団 五足六文」は、キーボード奏者に率いられた、和

服で演じ歌う3人の女性歌手を擁する7人組のプロのバンドで

ある。「演歌や歌謡曲をジャズやファンク、レゲエやボサノバのリ

ズムに乗せて歌うという一風変わった JAZZ DE ENKA を

そのスタイルとしている」と案内に紹介されていたが、当にその

通りで、伴奏と間奏はJAZZで歌は小節を利かした演歌である。

その上に、はまり込んで演じる長い「語り」は絶品で、イイ! こ

れにゲスト出演のタップダンサー・HIDEBOHと津軽三味線アー

ティスト・佐藤通弘氏が絡むのであるから堪らない。特に2メー

トルの至近距離でHIDEBOHのタップダンスを堪能出来たのは、

私にとって今年を締め括る感動であった。

                          (2008/12/26)




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