「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

S+I <やっぱり、カヌーは楽しい!>

 今年5月の岡山カヌークラブ恒例の旭川下りで、それまであまり使

っていなかった肩を急に酷使したためだと思うが、数日後より左肩痛を患い

、痛み無く肩関節を動かせる範囲が極端に狭くなってしまった。私が「各々

肩」(おのおのがた)と呼ぶ事を提唱している、世間では「四十肩」だの

「五十肩」と云っている奴である。以後、カヌー遊びの実践から遠ざかって

いた。暑い夏も半ばとなり、このままでは漕がないままで今年のカヌーシー

ズンが終ってしまうと言う危機感にさいなまれ、残り少なくなった人生で、

あと何年カヌーを楽しめるか等と考えたりすると、イタイ・イタイとばかり

は言っておれないと思うに至った。更に、夏休み中の孫を連れて川でカヌー

遊びをしたいという思いも膨らんで来ていた。先ず、早朝後楽園周辺の旭川

を漕ぎに出てみた。何よりも艇がホコリまみれなのが誠に情けない。左手が

後ろに廻せないので、スプレースカートを装着するのが大変である。痛みを

我慢して努力するが、痛みを感じている位置では手に全く力が入らないから

だ。若い方々には分からないかと思うが、まぁ、その歳になって患ってみれ

ば、誰でも分かる筈である。川上に向かい、月見橋・鶴見橋・新鶴見橋・山

陽線橋梁・最近架かった道路橋・新幹線橋梁をくぐり、通称「新幹線の堰」

まで漕ぎ上った。水位低下で堰の大波は死んでいた。穏やかなものである。

堰の下端中央より右岸(西岸)寄りに大きな岩が露出している。こういう状

態だからこそ見える水底の構造だ。嘗ては堰の中にL字綱鉄柱が数本にょきに

ょきと出ているのが渇水時には見えたものであるが、これは見当たらなかっ

た。

 
 
 
   (写真@AB山陽新幹線堰)

 昔から気付いていた事ではあるが、山陽線橋梁の橋脚は上り線と下り線で

は造りが異なっており、建造時代が違う様である。ということは山陽線に単

線の時代があったのだろうか。上り線橋脚の方がレンガ・石を使って凝った

仕上げになっており、優雅で骨董的価値を感じさせる。これに対して下り線

橋脚は、表面が全てセメントで味気無い。登り線橋脚の形も基部の方は補修

のためと思われるが、一部セメントで覆われ、形が異なった物もあり、風雪

に耐えて長年機能しているのかと思うと、「御苦労さん」と言わずにはおれ

ない。橋梁に日付の入った標が見えるので上陸して確かめたら、2003年

のペンキ塗り直しの表示であった。

 
    (写真C山陽線橋脚) 

 
    (写真D山陽線橋脚補修?)

 
    (写真E山陽線橋脚船形)

 
    (写真F山陽線橋脚塗装)

 帰りに鶴見橋の所まで来て、川下側に歩道・自転車道部分の橋が付け足さ

れて、新しい橋脚が出来ているのを思い出した。

 
   (写真G鶴身橋橋脚)

 この日の調子が悪くなかったのに気を良くし、8月10日には早朝から出

掛け、高梁川・成羽川合流地点「高梁市・落合」から「総社市美袋・水内河

原」までを、久し振りに秋岡氏らと下り、高梁川を堪能した。

 
   (写真H高梁川落合)高梁市落合付近)

 更に、8月15日には孫2人と娘を連れて、早朝より井倉洞前の高梁川で

カヌー遊びを楽しんだ。ここは井倉洞のある東側の絶壁が陽射しを遮断して

涼しく、8時前から2時余り遊び、河原の西端辺りに陽が射し始めた頃には

片付けてしまい、暑くなる頃には、寒くて悲鳴を上げそうな井倉洞を堪能し

ていた。我々の他にはカヌーで遊ぶ人は居なかったが、暑い夏には、子供連

れで遊ぶには御勧めの場所である。

 
   (写真I井倉洞前河原にて)

 この日、昼は高梁で昼寝し、夜になると私は備中松山踊りの「連」に加わ

り、審査時間の7時-8時の正味1時間だけは踊り通したが、これは実にタフ

な仕事で、疲労困憊してしまった。孫達は物凄い雑踏の中で夜店を楽しみ、

大満足の1日であった。その後も、これまでのところ、略毎朝出勤前にカヌー

を漕ぐ事を続けている。超斜めからの朝陽を浴び、涼やかな微風の中を漕い

で行く快感は何物にも代えがたい。岸辺には釣りを楽しむ老人やウォーキン

グやジョギングをしている人は見掛けるが、他に漕いでいる人はおらず、私

一人の至福の朝の一時である。尤も、此処に提示した山陽線橋脚の写真を撮

った日は、その為に随分余分に時間が掛かってしまったため、家では「お父

さんが川に出たまま戻って来ない」と妻が大騒ぎをしていた様である。「携

帯電話ァ掛けてくれりゃぁ、ええのに」と云うと、「溺れとったら通じんけ

ぇかけなんだ」と云う。「通じるかどおか掛けてみりゃぁ、せぇだけの事の

にぃ」と思うのだが・・・・・・・。私の方から妻にチョット電話して置く

べきだったと、反省している。

                    (2008/08/20)




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