「川下りは楽し・余談」
by 別宮 博一
⑳「京太・朝美」命名顛末記～ロシアより愛称を決めて！～
予約された業務に追い捲られ、夏に夏休みが取り難い今の職
場の過去3年の実績に基づいて、今年は9月に夏休みを取って
妻と旅行することにしていた。
（写真①万里の長城）
去年の春、岡山空港発の「万里の長城を歩こう」というＪＴＢ
ツアーに参加したのであるが、皆が行く北京のショウアップされ
た「八達嶺長城」ではなく、もっと遠くにあり、出入り口付近以外
は未整備で、鄙びて荒れた「金山嶺長城～司馬台長城」を終日
歩くというもので、我々の集団以外には時に出会う西欧人しか
おらず、崩れて通れない部分もあり、長城外に降りたりする様な
実に楽しく感動的な旅であった。
（写真②③万里の長城）
この旅で、岡山空港発で岡山空港帰着の旅行の手軽さ便利
さが気に入ってしまった。しかし、良い事ばかりではない。座席は
狭目な感じであるし、アナウンスは中国語で始まり、さっぱり分
らない。命の値段も安いのだろう。
岡山空港発で今回はソウル経由でロシアへ行く事にした。手
配諸々等すべて妻任せである。何処へ行って如何するのか資料
に目を通さないままに出発の日が迫って来てしまった。
（写真④サンクト・ペテルブルグにて。読めない看板を背に）
折しも、京橋朝市でデビューしたワニのカヌー“クロコ”の愛称
公募の締め切りが迫っており、なんとしても当選を勝ち得ようと
ズット考えていた。私にとってはクロコ愛称応募の方が優先課題
で、「ロシアより愛称を決めて」おかねばと、追い立てられる思い
であった。それに、コラムも仕上げて置かねばならず、頭の中は
ロシアどころではなかった。
さて、クロコの愛称は京橋朝市に因んだものが良かろうとは、
誰しも考えるところではある。色々考えていたが中々「これぞ」
という案が浮かばない。ある日職場で昼の休憩時に、いつもの
様にダジャレを飛ばしながら一緒に談笑していて、目の前のピチ
ピチの若い女の子が、「京子」チャンと「朝美」チャンであることに
気が付いた。「これだ！」と思い、一人ほくそ笑んだものである。
ＦＡＸで応募しようと書きながら、フト思った。船は西欧では
女性名詞であるから、「京子」「朝美」でよいが、試乗会で子供が
乗ることを考えると、「男の子」と「女の子」の名前の方がベター
ではないかと。そうするとドッチを男の子の名にするかである。
思い巡らせた挙句「京太」「朝美」に決めた。
（写真⑤モスクワ・赤の広場にて。右はクレムリン）
ロシア旅行から帰って見ると、当選の知らせがＨＰ掲示板に
「クロヒゲ」名で書き込まれているではないか。ウレシイ！。苦闘
した甲斐があったと云うものである。それにしても応募総数30
とは寂しい。しかし、まあ30だから当選出来たのだろうと考え
ている。
職場でこの話をしていると、「朝美」チャンが現れ、《私の名を
無断で使ったでしょう》と責めて来る展開である。10月7日に来
てくれる様に懇願したが、京子チャンは出張で、朝美チャンは遠
路で朝が早過ぎると断られた。しかし、何時の日かこの二人を
クロコに乗せようと思っている。
（写真⑥愛称発表式典）
「備前岡山京橋朝市」のＨＰには、当選者には愛称発表式の
案内状が送られる旨記載されていたので、何時来るかと待ち焦
がれていたが、結局案内状は来なかった。私は愛称発表式典を
華やかにバラ色に思い描いており、「岡山カヌークラブ・清流部
の正装」で臨んだが、現場に居たのは司会者と、立てたクロコと
看板の支え役3人、カメラマン2人、と岡山カヌークラブの仲間
の妹尾さんとキンタさんで、一般人は誰も興味を示さず観衆は
無く、私の読み難い名前も「ベツミヤ ヒロカズ」と、何時もの事
ながら姓も名も誤って呼ばれ、御褒美は小さな煎餅袋2つと云
う、思い描いていた絵図とは程遠いものであった。しかし、体験
カヌー試乗会は今年最後のチャンスとあって、乗った人がナンと
120余人の今年一番の大盛況で、「京太」「朝美」も大活躍であ
った。
連休明けに、職場で朝美チャンに顔を合わすと、「あの日は朝
早く起きたので、朝市に行けてたんだけどー」と言う。「来てくれ
りゃー良かったのに！」と返すと、「金曜日にもう一押ししてくれ
てたら良かったのにィー。誠意が足りません。」と切り返された。
若い女の子を扱うのは難しい！
（写真⑦京子チャンと朝美チャン）
（2007/10/18）
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