「川下りは楽し・余談」   by  別宮 博一

N<ゴールデン・ウイークは川尽くし!>

 (写真@北上川と岩手山)
 
 ゴールデン・ウイーク直前の4月26〜27日に、現在NHK朝

 ドラ「どんど晴れ」 の舞台になっている盛岡で研究会があり、こ

 れに参加したら、岡山ではとっくに済んでしまった筈の満開の桜

 に思いがけず再会した。梅もこぶしも同時に咲いていおり、地元

 でも稀有な事態だった様だ(コラム@参照)。

 (写真A枝垂桜と中津川) 
 
 地図を手に早朝ホテルを出て研究会会場へ向かう途上、盛

 岡城址「岩手公園」のすぐ傍を流れている川があるのに気付い

 たので、遠回りながら行ってみた。北上川支流の「中津川」であ

 る。大きな川ではないが、水は綺麗で水量も豊かで、流れは結

 構速い。石組みの古い護岸でセメントは見当たらない。何んと、

 川の中に細い遊歩道が心地よく付けられている。水辺は流れが

 極自然に滑らかに岸の草地に移行しており、何処からでも流れ

 に出入り出来る。思わずカヌーで下りたくなってしまうと云うも

 のだ。川に降りてきれいな水に手を漬けてみると、その冷たいこ

 と!遊歩道を歩いてみたが五感が刺激され実に好い。心地良

 い流れの音を耳にしつつ、楽しげな流れや満開の桜を楽しみな

 がらの朝の散歩を満喫した。(写真BCD中津川遊歩道)
   
  研究会終了後、私はレンタサイクルで走って確かめたのであ

 るが、この遊歩道の最上流端はJR山田線の盛岡から2つ目の

 山岸駅近くの中津川橋辺りから始まり、最下流端は盛岡駅に近

 い北上川合流部まで続き約4キロに及んでいる。実に良い川だ。

 盛岡では、季節が好ければ、市街地の清流・中津川下りをした

 いものだ。せめて遊歩道の散歩は是非お試し頂きたい。

  <川流>   盛岡は 何が何でも 中津川

  後日談になるが、帰岡後の4月30日(月)の朝、妻が見てい

 る「どんど晴れ」を横から眺めていて、「見たことのある景色だ

 な」と思ったら、何んと、これが中津川。以来、中津川の姿を求

 めて毎日この番組をウォッチしている。(写真E陽明門)

  研究会の帰路、28日は「日光」を堪能した後、「鬼怒川温泉」
 
 に泊まった。高等学校の修学旅行以来の日光であったが、修学

 旅行での印象の記憶では、きらびやかな門が幾つも幾つもお稲

 荷さんの鳥居の様に並んでいると言うイメージであったが、現実

 には「陽明門」は1つだけであった。子供の頃の印象などと云う

 のは正確さと云う意味ではいい加減なものである。

 (写真F鬼怒川)
 
  朝は早くから目が覚める。29日は早朝5時前から鬼怒川に

 架った「五橋めぐり」を一人でやり、深い峡谷と流れを上から眺

 め回しているうちに鬼怒川下りをしたくなった。「鬼怒川ライン

 下り」と云う船下りがあり、9時からの最初の便に乗ることにし

 た。30分以上も前から乗艇場に行っていたので、陸揚げしてあ

 る艇を降ろす準備段階から良くみることが出来た。情報が未だ

 広まってはいない様だが営業ラフティングもやっている。

 (写真GH艇の準備)
  
  先着順なので、五艇の先頭艇の最前端の席に座った。前に居

 るのは船頭だけだ。この若い船頭の話が面白可笑しくて退屈し

 ない。水は未だ冷たいが、カヌーで自分で下りたい感じのコース

 だ。船頭に尋ねたら、暖かくなったらカヌーで下る連中も来るそ

 うだが、観光川下り船が30分間隔で通るので、それなりの注意

 が要るようである。水豊かで綺麗で景色の良い川ではあるが、

 手軽さと誰でも楽しめる利点はあるが、観光川下り船では当然

 ながらカヌーで下る様な感動は得られようもない。

 (写真IJ鬼怒川下り)
  
  <川流>   カヌー駆り 鬼怒川下りを したくなり

  30日は、秋岡達郎氏と共に医療関係の年配ばかりを集めた

 「高梁川田舎倶楽部」で、高梁川の成羽川合流部から水内河原

 までの短区間を下った。この仲間達と以前は川下りを頻回にや

 っていたが最近は年に2回程川下りをやっている。皆元気で歳の

 割には若々しい。カヌーが何時までも出来るものではないと見

 越して「取り敢えず今はカヌー」と云う自然志向の意味合いを込

 めて「田舎倶楽部」と称している。

  <川流>   ホリデーに ジジが集まり 川下る

  さて、5月3日〜6日は予てより角南氏が計画・準備していた

 三泊四日(と云うよりは、運転者には申し訳ないが、車中泊を含

 む四泊四日)の清流部「南紀カヌー行脚」計画に乗せて貰うこと

 にしていた。連休を目いっぱい使おうと云うもので、3日になっ

 た途端の午前〇時半、我が家に迎えの車が到着した。夜通し走

 るのだ。車2台に大人7人・7艇・テント6張・装備等々を積み込

 みキャンプしようと云うのである。如何にでもなれと云う半ば諦

 めの境地で迎えの車に乗り込んだ。

 (写真K−Q熊野瀬温泉ベ−スキャンプ)
         
  角南氏が練りに練った計画で、川下りと観光を一気にこなそ

 うと、実に盛り沢山のポイントが入れられており、和歌山県をマ

 スターした様な気分にさせて貰った。鄙びた熊野瀬温泉の民宿

 の庭にベースキャンプを張り、川下りに行きがてら最寄の名所

 を押さえ、誠に澄み渡った綺麗な流れに感動しながら川下りを楽

 しみ、帰りに別の名所に寄り、スーパーで食材を買って帰り、あび

 るほど酒を呑み、焚火で盛り上がり、一日三回温泉に浸かり、

 各々のテントで大イビキをかいて眠るといった毎日である。

 (写真Rー22清流下り)
     
  下った川は熊野川支流の大塔川と赤木川、古座川支流小川

 で、どの川も水は澄んで深い瀞場でも川底が見えっ放しであっ

 たが、残念ながら好天続きで水量が少なくて、心地よく通過出

 来る瀬が少なく難儀した。

  <川流>   水低く 瀞場を漕いで 瀬を歩く

  と云う皮肉な状況の毎日で、歩くまいと頑張ると腹筋背筋と

 両手両腕を酷使する結果、普段とは違った筋肉痛に悩まされた

 者も居る。

  テント生活と云う意味では好天に恵まれていたが、最後の夜

 半から遂に雨に降られた。翌朝の雨の中での撤収作業は中々

 大変で、濡れた為に往路よりは嵩張った諸々が如何車に積める

 のかと私は疑問に思っていたのであるが、見事に2台の車に収

 め込んだのは、プロの技と言える。

 (写真23−24古座カヌーレンタル)
  
  (諸々の写真情報は公開されるであろうフォトギャラリーも参照のこと)

  今回の旅で発見した情報を一つ。JR古座駅舎を出て首を右

 に向けると、そこには広い駐車場を備えた市観光協会経営のレ

 ンタルカヌー・ショップがあり、艇と装備一式を一日2千円で貸し

 てくれる。更に、カヌー用ルーフキャリアを付けたタクシーが4台

 もおり、出発地点まで運んでくれるのだ。この日も既に20艇出

 ているといっており、駐車場に車が沢山入っていた。更に更に、

 古座川河口部の上陸地点が古座駅のすぐ近くで、そこなら店の

 方で艇を回収してくれると云うのである。南紀旅行の際には手

 ぶらで行っても穏やかな川下りがここで楽しめるので、半日をこ

 れに当てるのをお勧めする。

  この度の旅では、皆に迷惑を掛けつつも、本宮・新宮・別宮を

 一枚の写真に収めると云う私の積年の夢も実現出来て満足し

 ている。(写真25大願成就)
 
  <川流>   本宮と 新宮並びに 別宮あり

  今年のゴールデンウィ−クは今までになく、川尽くしで楽しめ、

 満ち足りた気分でいる。私一人で勝手気侭に遊んだので、間も

 なくやって来る妻の誕生日には埋め合わせをせねばなるまい。

                       (2007/5/14)




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